遠州まほろばの会

防災ヘリの墜落事故について

長野県鉢伏山付近で防災ヘリの墜落事故が発生しました。有為な人材が失われたのは残念であり、負傷者・不明者の無事を祈りたい。

ヘリ墜落現場で5人発見、安否不明 長野防災ヘリ墜落 産経新聞

事故原因についてはこれから調査が行われますが、次の記事が一般的な見方であろうと思います。

高度な操縦技術が要求される山岳救助 不安定な気流、薄い空気 産経新聞

私は過去の経験から、搭乗員9人というのが気になります。

随分前の話ですが、南アルプスで登山者が動けなくなったとのことで災害派遣要請を受けました。浜松救難隊のV-107に医官を同乗させて救助に向かわせることにしたのですが、救難隊は飛行準備の間に機体からどんどん装具を下ろし始めました。理由を聞いたところ、高地でのホバリングにパワーの余裕がないため、不要なものは全部おろすということでした。

この災害派遣は、登山者の不調は過呼吸症が原因で、医官が持参した白い上着を着て「どうしましたか?」と聞いたところ、その姿をみて安心したのか治療するまでもなく直ってしまったとのことでした。日が暮れてきて危険なため、医官と救難員を付き添わせて近くの避難小屋に一泊させ、翌日改めて迎えに行きましたが、当該者は元気に下山していったとのこと!

事故機(ベル412)の性能は承知しませんが、あのタイプだと9人は定員いっぱいだったのではないでしょうか。近傍の鉢伏山は1900m余りの高さがあり、加えて各人の救難装備品もあることでしょうし、ホバリングしようとしてパワー不足からバランスを崩したのではないかと思われます。機首部の損傷の様子も、そのような状況からの墜落を裏付けているように思います。(巡航状態で山の斜面にぶつかったのであれば、損傷はもっとひどい状態になる。)

ついでですが、ニュースの中継で女性キャスターが、機体周辺の木々が揺れているのを見て「気流が乱れている!」と強調していました。ところが、枝が揺れているのはごく一部で、その上では県警ヘリが救助作業をしていました。すなわち、救助ヘリのダウン・ウォッシュで枝が揺れていただけのことで、もっと画面全体をみて発言しないと視聴者に誤認させることになります。もっと観察力を磨いて欲しいものです。



2 Comments »

  • 失礼します。

    ベル412というのは、基本的には陸自の使用する多目的ヘリ(UH1)と同じでしょうか?
    私は、過去、何度かUH1に体験搭乗(1回のフライトで搭乗員を含み7人程度)させてもらいましたが、あの機体に9人+救助設備は、少しきつい気がします。

  • 村やん さん

     コメント有難うございます。
     9名全員の死亡が確認されたとのこと、残念に思います。

     お尋ねの件ですが、UH-1はベル205が元になっており、別のものです。ちなみに、次期へり(UHX)はベル412をベースとして開発される予定です。

     乗員ですが、wikipediaによればUH-1の11名に対してベル412は15名となっています。商用での乗客と装備を含めた隊員では異なり、この数字をそのまま使用できません。記事に書きましたV-107は乗員が33名となっていますが、それでも記事に書いたような準備(不要装備を下ろして軽くする)を行っていました。カタログ・データだけでは済まないことがプロの世界です。


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