遠州まほろばの会

捜索レーダーとFCSレーダー

韓国海軍駆逐艦による海自P-1に対するFCSレーダーの照射について、各種報道がなされ、本SNSにも意見が寄せられていますが、両レーダーの使用目的以外にその差異を説明するものがないので、少し記述してみたいと思います。(詳しい方はパスしてください。)

捜索レーダーは、周囲の艦船・航空機を探知するためのもので、電波の形状はファン・ビームと呼ばれるちょうど団扇を縦にして艦の周囲360°を回転しているようなものです。遠くまでを監視するため使用周波数はそれ程高くなく、PRF(パルス繰り返し周波数)と呼ばれるパルス間隔も広めです(PRFは低い)。

感知したTGT(目標)は、次にビームが通過して再検知されたときの位置の差で、位置・進行方向・速度などを測定することができます。

FCSレーダー(射撃管制レーダー)のビームは、ペンシル・ビームと呼ばれる細い線状であり、捜索レーダーで捕捉した目標に向けて照射されます。韓国が言う、北朝鮮漁船を捜索するために使用したなどは、どこに魚がいるかも判らないでめったやたらにモリをつつくようなもので、軍事常識からはあり得ない言い訳です。

捕捉(ロック・オン)した後は連続して追尾し、そのビームの動きの角速度やドップラー周波数により目標の緒元(位置・高度・速度・方位)をより精密に測定し、また精度を向上させるために使用周波数、PRFはより高いものが使用されます。

また、発射したミサイルの誘導にも使わるため、FCSレーダーによる捕捉は”攻撃の意図がある”と解せられ、国際的に厳しく抑制されています。端的に言えば、反撃されて対艦ミサイルをぶち込まれても文句を言えないのが国際常識です。

電波を照射される軍用機にはRWS(レーダー警報装置)が装備されており、受信した電波の種類や受信状況(断続的か、継続的か)により容易に判別がつき、適切な警報(表示や音)を搭乗員に与えます。報道にあった、「P-1搭乗員が目視で確認した」というのは、この警報装置の表示を確認したということです。

ちなみに、戦闘機の場合相手の航空機の機種まで表示してくれました。勿論そのデータの多くは同盟国である米国から提供されたということでしたが・・・。




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